「子供を殺してください」という親たちのネタバレと感想になります。
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「子供を殺してください」という親たちのあらすじとネタバレ
㈱トキワ精神保健事務所の業務は、精神疾患や依存症などの原因により引きこもりやDVなどに至っている人間の家族からの依頼により、その対象者に適切な医療につなげること。
【ケース1】の対象者は、荒井慎介という21歳の男性。
なぜか全裸で自宅の庭に立ち、バットを振り回して素振りをしています。
相談者は彼の母親。頬に殴られた跡が残っています。
慎介は学生時代は成績優秀で、両親が弁護士をしており、彼自身も「法学部→弁護士」への道があらかじめ決められている子どもでした。
しかし、受験を前に慎介の成績がどんどん下がっていき、ある日大学を休みます。
心配した母親が部屋をのぞくと、教科書を読んでいるようでしたが、なぜかその上下は逆さま。
そしておもむろに立ち上がり、「そうか！これからは中国だ！！」と叫びだします。
そのまま大学を休学した慎介。
心療内科を受診したところ、出された結果は「統合失調症」。
薬が処方されましたが、状況は悪くなる一方で、突然「歌手になる」と言い出し髪を金髪に染め、数十万もするサンドバックを母親に買わせ、それを見せつけるように殴ったり、奇行が続きます。
そしてついに、自宅で飼っている猫のミイを、バットで撲殺してしまうのです。
限界を感じた母親が助けを求めたのが、㈱トキワ精神保健事務所でした。
所長である押川は、強制的な移送をおこなわず、あくまでも本人の意志で入院治療を受けてもらうことを信条としています。
移送当日、最初は抵抗していた慎介ですが、押川の「俺がつなげてやる」という言葉に、おとなしく従います。
しかし、慎介は思ったような改善は見られず、1か月後に突然脱走します。
しかし慎介が行く場所の検討は、押川には容易でした。
彼は、自宅の前にいました。しかし家はもぬけの殻です。
押川がやってきて、「お前の家族は引っ越したぞ、お前を恐れてな」と告げます。
その後、社会復帰のため仕事を見つけますが、ほどなく職場で数回暴力事件を起こし、逮捕・実刑判決がくだります。
連行される慎介の背後から、押川が声をかけますが、彼は振り向くことはありませんでした。
彼は出所後精神科病院へ入院しましたが、彼は完全に妄想の世界の住人となり、ありもしない物語の主人公として生きることにしたようです。
「子供を殺してください」という親たちの感想とレビュー
タイトルからして衝撃的で、読んでみたらさらに重くてしんどかったです。
現代の精神疾患を持つ子の親たちの悲痛な叫びと、子どもたち本人の声にならない悲痛な叫び。
自分がよかれと思って子どもに行ってきたことが、単なる独りよがりで、子どもの心を傷つけているのかもしれない。
ほんの少し道を踏み間違えただけで、子どもの未来が大きく変わるかもしれない。
「子供を殺してください」という親たちは、そんな怖さを感じる作品です。
自分の親に「死んでほしい」と思われる子どもの心境とは、いかなるものでしょうか。
これは全巻読むのは相当メンタルがやられるかもしれません。
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